香綾会コラム
No.44「学生時代」
東 浩市(高33回生)
私は香綾会関東支部の所属ですが、東京で毎年同窓会を開催している福岡の高校は幾つも無いそうです。絆が固いのか、単なるお祭り好きなのか?きっと、脈々と受け継がれている校風が表れているのでしょう。
その上を歩いて渡れる程のボラが湧いている川を横目に登校。弁当は昼前に食べてしまい、売店でコロコロとスマックを買い食いし、帰りは「はなこ」で100円のうどんを頼んで50円で替え玉し、1日中腹を空かしていました。
部活の帰りには、無いお金を工面しながら、我々を誘惑して止まないマクドナルドやミスタードーナツ、喫茶店等で友達や先輩達と、今考えればどうでも良いような事を、さも難しい事のように話をしたり談笑していました。
今でも思い出すのは、オモチャのようにペコペコの音しかしないグランドピアノが偉そうに置いてある音楽室の風景。選択で音楽を履修していた私は、音楽準備室で紅茶を飲みながら先生と歓談するのが常でした。当時、九響に籍を置いていた先生は、ある放課後にチェロを弾いてくれました。何故弾いてくれたのかは解りませんが、「音楽を通じて人に何かを伝える」と云う事を教えて貰いました。
古典の授業中に、悪ふざけが過ぎた同級生が居て、普段は温厚な先生が「俺をなめるな!俺が怒らないのは『古典』を味わうのに台無しになるからだ!」と声を荒げました。その先生は、訳や文法云々では無く、鑑賞する心を伝えようとしていたのだと思います。
人間味溢れる個性豊かな先生方は、私達に何かを伝えようとする振りをしつつ、人生を謳歌していた・・・のかも知れません。
東 浩市 氏 (高33回生) 紹介
東京芸術大学卒業後、声楽家として活躍中。
2011年7月の香椎高校の芸術鑑賞会「こうもり」に出演予定。
※2011年7月19日(火)に開催される芸術鑑賞会「こうもり」を香綾会会員の方々も無料でご覧いただくことができます。ご興味のある方は、こちらから卒業回生とご氏名を香綾会事務局までご連絡ください。
・会場:福岡市民会館大ホール
・開場:12:20(客席入場13:00~)
・開演:13:30、終演:16:00
・演目:オペレッタ「こうもり」