香綾会コラム

No.39「在校生に向けて」

    

藤田 寛之(高40回生)

香椎高校出身でプロゴルファーの藤田寛之です。

香椎高校を卒業したのは、もう22年前になります。当時の私は、野球少年でした。高校に入っても野球を続けようとしたのですが、中学の終わりに始めたゴルフの方が楽しくなり、高校から本格的にゴルフに打ち込み始めました。

当時のジュニアゴルフ事情は、子供がゴルフをするなんてといった時代でした。時代が過ぎ今では、石川遼君を筆頭にジュニアから即プロに転向する人も出始めました。ジュニアのゴルフのレベルアップと環境の変化ですね。スポーツの世界では、若年齢化が進んでいます。環境や情報が高いレベルで手に入れることができるからだと思います。別の言い方をすれば、恵まれているということです。昔に比べ、特に不自由することなくいろいろなことにトライできるということでしょう。このような環境や情報を正しい方向に使うと人は猛スピードで成長すると思いますが、中には、それを違った方向に使ってしまう人も多くいるように感じます。

皆さんは、石川遼プロを見て、どのように感じますか?

世の中の人は、遼君をすごく高く評価しています。自分も遼君は、すばらしいプロだと思っています。もし、あんな優等生はいないと思っている人がいたら、あなたは、これからの人生で苦労するでしょう。世の中の人はあのような若者を望んでいるんですから。

一つ例を挙げると、人に対して感謝を決して忘れません。自分を応援してくれている人達に対して常に感謝の念を持ち続けて、しかもそれを口に出しています。人は自分一人で生きていけるものではありません。考えてみて下さい。自分の周りに誰がいるんでしょうか?

いるのが当たり前でしょうが、その人が自分の周りからいなくなったら?おそらく、さびしいですよ。

私は言いたいことは、もうおわかりですね!!

今や、日本のトッププロになった私ですが、どのようにしてこれまでになれたと思いますか?

答えは、こつこつ一歩ずつ、努力をし続けたからです。大きなことをやったわけでも、人がやらない特別なことをやったわけでもない。皆がやっていることを自分も、こつこつやっただけなんです。ただ、それをやる上で大切なことは、夢や目標を常に持っていたことぐらいでしょうか。それもかなり高いレベルの目標を。

それを意識すると、そこに到達するのに、まず何をやるべきかが見えてきます。長い道のりですが、こつこつ前に少しずつ進むことが、夢に近づくコツです。階段。何の為におどり場が途中にあるんでしょうか?休憩する為ですね。一段一段、着実に登って、おどり場では、ひと休み。これの繰り返しが、夢を現実なものにしていきます。一段あかしや二段あかしでいくと、いつか怪我するでしょう。そして登ることができなくなります。他にも実現へのコツはありますが、それはあくまで応用編。まず基本がしっかりしなければ。

それが、コツコツなんです。皆さんの人生はこれからです。自分の可能性は無限大です。また戻りたいなぁ高校時代。香椎高校の生徒は、まだ原石ばかり。磨けばそれぞれが、ぴかぴかに光り輝くはずですよ!

石を磨くのは誰でもない自分自身が自分を磨くんです。

香綾会コラム No.39「在校生に向けて」
香綾会コラム No.39「在校生に向けて」
香綾会コラム No.39「在校生に向けて」

※香綾会報 第35号より転載いたしました。

2010年にはツアー10勝目を挙げ、国内賞金ランキング第2位(日本人ではトップ)の大活躍で、2010年日本ゴルフツアーMVPを見事受賞されました。その藤田さんから香綾会へ御礼状をいただきましたので、こちらで紹介させていただきます。

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拝啓 師走の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。さて、私儀2010年「日本シリーズ」の優勝に際しましてご丁重なご祝意を賜わり、ご芳情のほど誠に有難く厚く御礼申し上げます。 悲願のメジャー初優勝で通算10勝目を達成できたのも、皆様の心強いご声援の賜物と感謝いたしております。また、全米オープン、全英オープンの出場権を獲得し、夢のマスターズも本日正式に出場権を手に致しました。

来年はさらに勝ち星を重ね、国内外のメジャーで結果を残すことを目標に上げ、努力してまいる所存でございますので、何卒倍旧のお力添えを賜りますようお願い申し上げます。

ますは略儀ながら書中をもちましてお礼申し上げます。

敬具

平成22年12月20日
藤田 寛之
株式会社 芹沢インターナショナル

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