香綾会コラム

No.25「卒業アルバム」

    

鶴崎 美由紀(旧姓:古田)(高31回生)

福岡が大好きで福岡から離れて暮らすことなど考えられなかった私でしたが、結婚を機に福岡をそして九州を出てしまいました。香椎高校を卒業して30年経ち今は埼玉在住です。

第83回関東支部総会の幹事を担当し25年ぶりに懐かしい友と再会しました。関東支部ですからみんな福岡を離れて荒波?に揉まれてきた者同士ということもあり、懐かしさと感動も倍増、関東でこんなに楽しい同期の世界に浸れるなんて夢にも思っていませんでした。

その出会いや再会に欠かせないのが卒業アルバムです。卒業アルバムを眺めながら薄れかけている記憶を手繰り寄せ、みんなで好き勝手なことを言いながらいつの間にか気分は高校時代にタイムスリップしてしまいます。厚かましくも気持ちは女子とよばれたあの頃に戻って。

私は高3の時にアルバム委員を担当しました。なので、アルバムを見る度にみんなであれこれ意見交換をしてどんなアルバムにするか話しあった日々をいつも思いだします。私達の卒業アルバムは大変ユニークで、何度眺めても飽きないくらいに面白い構成になっています。

際立った特徴として、各クラス毎のひとりひとりの顔写真の下にそれぞれの一言(コメント)が書き添えられています。将来の夢や高校時代の思い出など、とびっきりの笑顔の下に微笑ましいコメント…今にもあの頃の友が飛び出してくるような錯覚に陥ります。前半の個人写真は白黒ですが後半の修学旅行や文化祭、体育祭、そして各クラスの集合写真はカラーになり、丁度時代の移り変わりを表すかのようです。因みに5年下の本年度の幹事さん(36回生)の卒業アルバムはオールカラーになっていました。

香綾会コラム No.25「卒業アルバム」
香綾会コラム No.25「卒業アルバム」

話しは戻って…各クラスの集合写真の下にはそれぞれのクラスの代表者が描いてくれた特徴ある絵が載せられています。先生や友達の似顔絵…どのクラスも微笑ましく楽しい絵が描かれていてそれがまた懐しさをグッと引き寄せてくれます。私は前にも述べたようにアルバム委員でしたが、このユニークなアイディアを考え出したのは他の委員の人達で、私はただ感心していただけだったのかそこのところの記憶は曖昧です。

香綾会コラム No.31「新しい時代への息吹の中で」

でも、ただひとつアイディアを出したのが卒業アルバムのタイトルでした。当時アルバム委員の担当をされていた長倉先生にそれぞれ卒業アルバムのタイトルの案を考えてくるようにとの宿題が出されました。私はあれこれ思い悩んで思いついたのが「青春の扉」でした。確かその頃好きだったチューリップの「青春の影」の影響を受けていたような気がしますが…

そしてその後アルバム委員で検討した時「扉」という言葉に思いの外、反響が集まり、決まったのが「思い出の扉」でした。半分ながら、私の案が採用されたことを今でも懐しく嬉しく思い出します。

今このコラムを書きながらまた思い出が詰まったアルバムの扉を開いてみました。笑顔でいっぱいの友の中には若くして既に亡くなられた方もいらっしゃいます。30年の月日、順風満帆に過ごしてきた人の方が少ないでしょう。

もし今、卒業30年後のアルバムを作るとしたら…

写真の下のコメントは30年分のとまでは言わないまでも、あの頃よりはほんの少し深い言葉を入れられたらいいな…と思います。写真はもちろん笑い皺たっぷりのとびきりの笑顔で…

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