香綾会コラム
No.19「黒門の復元まで~設計~」
舛本建築設計事務所 舛本 六助(高9回生)
私は黒門の実物を知らない。母校香椎高校にいろんな事で関わる時、その話が出る。正に香椎のシンボルとして・・・・・。
私の直接の係わりは平成2年、黒門の一部が残る福岡女子大の改築工事に伴い、黒門の付属、門脇長屋が解体される事となり、その調査と、その一部を移設してくれ、との話があった年でした。その移設した遺構は現在の香綾会館に保存されている。
その後、70周年記念事業として、黒門竣工の設計は紆余曲折があり、母校の校舎全面改修を待っていよいよ実現の運びとなった。資料の非常に少ない「城郭・門」である。建設の歴史から言って、東大の赤門に比べ見劣りしないものにしたいが、と言って予算は限られている。ついに私は独断で、金沢城石川門表門の下階を一部参考資料とし、単に香椎中学のノスタルジアでなく、今後の母校のシンボルとなるように、願いを込めて設計させていただきました。
こういう本格的な木造建築は「まず木材ありき」で、この事についても先輩諸氏に多大の御指導や御協力をいただきました。幸いに、施行については先輩の安川與志清氏の会社にお願いができ、無事完成の暁には過去の歴史が今後の飛躍の門になりますよう念じています。
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