香綾会コラム
No.11「遠い来世を、2年後に控え」
坂田マルハン美穂(高36回生)
昨年10月のことだ。福岡に住む妹から電子メールが届いた。実家に香稜会からの郵便物が届いているという。内容を確認してもらったところ、わたしは36回生の同窓会評議員を引き受けており、2009年に開催される総会の幹事を務めねばならないとのこと。遠く記憶を遡れば、そういう役を引き受けた覚えがある。あれは評議員を決めるため各クラスの代表が集まったときのことだ。「なかば強引に」わたしを評議員に指名したのは、忘れもしない篠崎省吾先生だった。
「お前らが44歳になったら、全卒業生を対象にした同窓会の総会ばやらないかん。そのときの責任者がお前らやからな。忘れるな!」
18歳のわたしにとって、44歳と言えば、まるで来世の話のようであった。あまりに遠すぎる未来で、むしろどうでもいいやと思ったことを覚えている。その来世が、もう間近に迫っているのである。なんということか。
わたしは1996年に日本を離れた。米国生活を経て、現在はインドに住んでおり、日本へは数年に一度しか帰国しない。引き受けた以上、任務は遂行すべきと自覚しているが、会合の企画や参加は、物理的に不可能である。代役をお願いすべく、香綾会本部へ電話を入れたところ、事務局で仕事をしてる田村さんという女性の先輩が出られた。こちらが名乗るが早いか、
「坂田美穂さん?! 評議員になられてますよね!」
と、わたしをご存知の様子。聞けば、わたしが毎月一度、西日本新聞に寄稿しているコラムや、わたしのホームページを読んでくださっているようで、「事情通」でいらした。
「2009年10月の総会に参加してくださればいいですよ」
とおっしゃってくださるのだが、本当に参加するだけでいいのか。それだけではあまりにも申し訳ないので、遠隔地からでもなにかできることがあれば手伝いますと、やる気だけはあることを申し出ておいた。(続く)
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