香綾会コラム

No.46「卒業生からのお便り」

    

阿部 敏之(高44回生)

2011年6月、香椎高校へ1通のメールが届きました。それは、卒業から20年ほど経った卒業生、高44回生の阿部敏之さんからのメールでした。

2011年6月9日

こんにちは。私は第44回卒業生の阿部敏之と申します。

現在福岡県福津市に在住ですが、先日から西日本新聞、読売新聞、朝日新聞などでも紹介されていますが、癌で余命半年と宣告された私は「シングルファーザーの命と子育てに関する講演会活動」を各地で行っております者です。

講演会を聴講された方や、新聞記事を読まれた方々から有難いことにメール等で多くの激励や更なる講演依頼を頂いております。その中に、新宮町相島神宮寺のご住職の中澤様という方がいらっしゃいます。中澤様自身も脳梗塞の病と闘っておられます。メールでやりとりを続けるうちに、中澤様も香椎高校の卒業生であられることがわかりました。中澤様は現在72歳で、おそらく昭和30年代初頭の卒業になられると思います。偶然の出会いではございましたが、今月末に私が相島までお伺いさせて頂き、お会いすることになりました。母校の大先輩が人生の終焉をお迎えなさる前に、何かお喜び頂けるものはないかと、あれこれ考えております。

香椎高校は本年創立90周年ということで、何か記念品でも製作されていれば、私からプレゼントできる最良のものではないかと考えております。もちろん、そのような物がございましたら、私が購入させて頂いての話ですが。これまで、香綾会や同窓生の皆さんとは接触することがございませんでしたので、情報が入らず、そちら様へお問い合わせさせて頂いた次第です。

突然の問い合わせで申し訳ございませんが、ご返信頂ければ幸いです。

【このメールをいただいた後、事務局から記念誌等をお届けいたしました。それから後日、阿部さんから心温まるお礼のメールをいただきました。】

2011年7月11日

お世話になります。

先日は突然のお願いにもかかわらず、私の自宅まで、70年誌、80年誌などの記念品をお届け頂きましてありがとうございました。

お話しておりました、相島の中澤慶輝さん(昭和33年卒)にお会いして参りました。記念品をお渡しして、中澤さんにもお喜び頂き、私も最高のプレゼントが出来たとホッとしました。

以前にもお話し致しましたが、中澤様は心筋梗塞を患ってらっしゃって不自由な生活を送られております。相島の神宮寺というお寺の住職を未だに続けられながら、相島の歴史や朝鮮通信使についての研究を楽しみにされながら過ごされています。

私との出会いは、私の現在の活動が掲載されました新聞記事を中澤さんが読まれて、私に「生きる元気と勇気をもらいました」との趣旨のメールから始りました。新聞記事に取り上げられましてからも、数多くの方々に、メールを頂いたのですが、中澤さんはその中でも最高齢。しかも、不自由な体をゆっくりゆっくりですが、PCのキーを打たれる姿を想像すると、この方だけは共に病気と闘い、そのために理解しあえ、励ましあえる仲間のような感じがしまして毎日のようにメールでやりとりを始めました。その会話の中で、お互いが香椎高校が母校ということがわかり、これは急いでお会いして、中澤先輩を喜ばせたいと思い、今回の訪島に至ったわけです。

当日の様子は別途添付しておりますので、ご参照下さい。思ったよりお元気そうで何よりでした。

また来月には、今度は私の子どもを連れて訪島する予定です。

香綾会コラム No.46「卒業生からのお便り」
左から、高33回生 中澤さん、高44回生 阿部さん

香椎高校と香綾会のホームページの存在をご存じなかったので、中澤先輩のパソコンのお気に入りに登録し、先輩がいつでもご覧頂けるようにしてまいりました。ホームページには校歌がありますよね。あれを聴きまして、年の差34歳の先輩・後輩の2人で校歌を熱唱しました。

お隣の部屋にいらっしゃった奥様がビックリしてお部屋を覗かれましたが、2人ともお構いなしで3番まで全て歌いきり、思わず涙がこぼれてきました。共に過ごした時間はありませんが、校歌一つで中澤先輩と私の絆のようなものが一つできた気がしました。

今後も私自身、体が動く限り現在の活動を続けて参りますが、中澤先輩との交流も続けて参ります。田村様、事務局の皆様、この度は誠にお世話になりました。私に出来ることがあるか否かわかりませんが、何かお役に立てそうなことがございましたら、何なりとお申し付け下さい。

この度は、ありがとうございました。

【この後、阿部さんは2011年9月15日に皆さんに惜しまれながらご逝去されました。生前にお届けできなかった会報を後日、阿部さんのご実家へお届けいたしました。】

2011年11月19日

香綾会 実行委員会会報部御一同様

先日は香綾会報36号をお届け頂きまして有難うございました。息子敏之より生前、香椎高校の90周年の事や中澤様の事もとても喜んで話してくれていました。

会報の事も楽しみにしておりましたが、本人の生前に間に合わなくて残念に思いますが、学校をお訪ねして学生時代を懐かしく思い出した事を思います。会報を頂いて早速仏前に広げて置かして頂いております。本人も短い人生で、まだまだ生きて色々な事を経験したかったと思いますが、短くても内容の濃い人生を送ったものと思っております。

末筆ながら御香料等、皆様から頂きまして御礼申し上げます。今後の香椎高校、香綾会の発展をお祈り致します。有難うございました。乱筆にて失礼致します。

香綾会コラム No.46「卒業生からのお便り」
香綾会コラム No.46「卒業生からのお便り」

今回お便りをいただきました阿部さんは、残念ながら2011年9月15日にご逝去されました。ご本人の意思により、掲載させていただいております。謹んで心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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