香綾会コラム

No.32「私の高校時代」

    

財津 和夫(高18回生)

私が高校生の頃には、西鉄香椎宮前駅とJR香椎駅のちょうど中間くらいに、「香椎東映」という映画館がありました。そこで上映される18歳未満禁止の映画を、友人と観に行った事もありました。それぞれ父親の革靴をこっそり拝借し、大人っぽい上着を調達して出かけたのです。チケット売場の窓口で「大人2枚!」と思わず言ってしまった事がありました。成人向けの映画だから子供用の料金など最初からないのに(笑)

また、よく行ったのが香椎宮の境内。その頃は当然カラオケなどなかったので、人影のまばらなところを探してはギターを弾き、迷惑も顧みず大声でうたっていました。ただ歌うことが楽しくて仕方ない時期だったのです。そこに樹齢なんと二千年弱という、御神木(綾杉)がありました。私の心が不安定な時期だったのでしょうか、「この貫禄のある木のように自分は将来、堂々とした男になっていられるのだろうか」と、この木を見るたびにいつも思っていました。

映画館はもう無くなったと聞いていますが、香椎宮の御神木は今も当時と同じたたずまいで威風堂々とたっているはず。いま会うとどんな気持ちになるのか、一度訪ねてみたいです。

香綾会コラム No.32「私の高校時代」
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